債務整理の際の訴訟に気をつける2

しかし、訴訟を起こしても、100%勝てるという保証はありません。
たしかに債権はあるハズなのに、訴訟で負けてしまうと、債権は回収
(債務整理)できなくなります。
裁判は証拠が勝負です。
証拠の保存が十分でない場合には、負けてしまうこともあります。

さらに、訴訟にかかる手間や時間・費用もバカにはなりません。
相手方が徹底的に争ってくる場合には、それなりの時間がかかります。
また、複雑な内容になってくれば、弁護士の助力が必要になります。
訴訟費用と一口にいう場合に、その多くの部分を占めるのは弁護士費用です。
弁護士費用は、訴訟に勝ったとしても、原則としてこちらの負担になります。
相手方の負担にできるのは、裁判所に納める訴訟費用だけです(債務整理
際、注意)。
訴訟に踏み切るかどうかは、まずは、回収しようする債権と訴訟にかかるコス
ト(手間・時間・費用)を天秤にかけることになります(債務整理の際、注意)。
しかし 債務者の対応や、権利関係、また事件の重要性によっては、 コスト的
には見合わなくても訴訟に踏み切るべき場合もあります。
結局、いろいろな事情を総合的に考慮して判断することになります。

債務者主義と債務整理

債務整理の参考に、債務者主義について見ておきましょう。
債務者主義
日本の民法は、ある債務が消滅したことのリスク(危険)は、その債務の債務者が負う(危険を負担する)という原則を採用している(536条1項)。これを債務者主義という。
上記1の例のような場合(特定物に関する物権の設定または移転以外を目的とする双務契約)に適用され、歌手Aのイベントに出演するという債務が消滅し、これと対価関係にあるBの代金支払債務も消滅する。これによって消滅した債務の債務者(歌手A)は、本来ならば受け取れたはずの出演料(代金)を受け取れない、という意味でリスクを負担したことになる。
例外としての債権者主義
民法は、次のような場合には、例外として債権者主義(債権者が履行不能の危険を負担する)をとる。
特定物についての物権の設定移転の場合(534条1項)
停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰することができない事由によって損傷した場合(535条2項)
債務や物の消滅について債権者に帰責性がある場合(536条2項)
上記1の例でいえば、買主Bが引渡し前に下見をした際に失火して、Aの別荘が消滅すれば、別荘引渡債務の債権者であるBの代金支払債務は存続する。このため、引渡債務の債権者Bは債務者Aから別荘の引渡しを受けられないにもかかわらず代金の3000万円は支払わなければならないという結論になる。この場合、消滅した債務の債権者(別荘の買主B)が、目的物が消滅したことによるリスクを負担したということになる。
債務整理を知るうえで債務者主義などを知ることは、参考になります。よりよい債務整理の形を探していきましょう。